経営者・事業責任者の方へ | 共同実証のご提案(A4・2ページ)

以下は、PDFと同じ文をテキストにしたものです。

経営者・事業責任者の方へ | 共同実証のご提案

AIはこれからも賢くなる。
承認の進め方は、AI登場前のままでよいのか

提案書などの作成と承認を、評価基準と、人とAIの役割分担から組み直す

1見立て

1-1 AIの出力が速く多くなるほど、人の判断が追いつかなくなる

AI活用に取り組んでいる方々からは、「AIが賢くなったのはうれしい。けれど、出てきたものを判断するのが大変だ」という声を聞きます。読み、確かめ、採用するかどうかを決める仕事は、人の手元に残ったままです。

原案は速く多く出るようになっても、「採用する」か「差し戻す」かを決める進め方は、以前のままではないでしょうか。判断に時間がかかる理由の1つは、何を満たせば通すのかが、前もって書かれていないことです。

模式図。横軸は「AIの生成能力の向上」、縦軸は「処理能力・処理量(概念値)」。「AIが生成できる量」の線は右上へ急に伸び、「人間が判定できる量」の線はゆるやかにしか伸びない。2本の線のあいだの広がりが「判定待ちの原案」。実測値ではない。
図1 AIの生成能力が上がるほど、人間の判断がボトルネックになる(模式図。実測値ではありません)

1-2 企画書や提案書には、合否を決める評価基準が書かれていない

建物には確認申請があり、システムには受入の条件があります。作る前に、何を満たせば合格かが決まっています。何を満たせば通すのかを、作る前に書き出したものを、ここでは評価基準と呼びます。ところが企画書や提案書では、評価基準は書かれず、承認する人の頭の中にあります。差し戻した理由も、口頭で伝えて終わりがちです。同じ書類でも、承認する人が替わると、通る条件が変わります。同じ人でも、案件や時期によって変わることがあります。

2打ち手:AIを足すのではなく、人とAIの分担を組み直す

このチラシが扱うのは、人や組織の意図を表さなければならず、AIに任せきりにはできない成果物(提案書・企画書など)を作る仕事です。

2-1 1回の重い承認と指摘を、軽い確認の積み重ねに変える

提案書の作成を例に説明します。

当社が開発・実践している、人とAIが協働する進め方では、実際の提案書作成の前に、提案書の仕様と評価基準を、AIとともにあらかじめ書き出し、上司と合意します。上司が最初に見るのは原稿ではなく仕様と評価基準なので、方向のずれは提出の前日ではなく、書き始める前に分かります。最後の承認は、合意した評価基準と照らし合わせる確認になります(当社の社内での観察です)。

2つの進め方の比較。上段「これまで」:提案書作成のあと、上司による提案書の確認(合格・差し戻し)を経て承認・提出へ。提案書の仕様作成と提案書執筆を分けずにまとめて実施する傾向があり、上司の確認は重い確認と指摘になりがちで、重要案件であれば複数人で確認する。下段「あらかじめ仕様と評価基準を用意する進め方(共同実証で確かめたい工程)」:AIと一緒に「提案の仕様」と「評価基準」を用意し、受け手のペルソナ(AI)による確認を繰り返したうえで、上司が仕様と評価基準を確認(合格・差し戻し)する。仕様の確認により大きな手戻りを予防する。評価基準はメンテナンスすると次の案件でも使えるようになり、育てると組織で使える評価基準になる。続いてAIと一緒に提案書を作成し、受け手のペルソナ(AI)による確認を繰り返したうえで、上司が提案書を確認し、承認・提出へ。人とAIによる確認を実施済みのため、上司の確認は軽い確認になる。ボックスの長さは時間の長さを示すものではなく、上司が提案書を見始める時点で揃えている。
図2 これまでと、あらかじめ仕様と評価基準を用意する進め方

2-2 工程・評価基準・受け手のペルソナを、組織で育てる

案件ごとに直して成長させた評価基準と、受け手のペルソナ(承認者や顧客の立場を AI に演じさせた役)を組織で共有し、次の案件で使います(仮説)。工程と評価基準が先に共有されていれば、経験の浅い担当者も、何を満たせば通るのかを書く前に知ることができ、差し戻しで書き直す回数を減らせます。

2-3 AIに任せるのは品質の下限まで。その先は人が仕上げる

当社の実践経験とAI活用に取り組んでいる方々の知見にもとづくと、いまのところ、AIに完成まで任せた成果物は、そのままでは外に出せません。AIに任せるのは評価基準をすべて満たすところ(品質の下限)までとし、その先は人がAIと一緒に仕上げ、採用するかどうかは承認者が決めます。

3当社の実践から

3-1 実例

視点のずれを顧客役のペルソナが指摘した

顧客向け資料の企画を、顧客役のペルソナに読ませると、「それは支援側の合格です」と反応されました。評価基準を「顧客が次の1週間で何を作り始めるかが決まっている」に書き換えました。

3-2 社内で試していること

作業を区切り、判断を記録する

調査・企画・作成の作業を約1時間ごとに区切り、その終わりに必ず、そこまでの判断とその理由をAIが記録します。次の作業はその記録から始めるので、前に決めたことを言い直さずに済みます。記録した判断や知見から、いまの作業に合うものを選び出す仕組みなどについて、特許を2件取得しています(第7873811号・第7929338号)。

基本の工程から、別の成果物の工程をAIが作れる

このチラシでは提案書を例に示しましたが、いまは動画広告の制作の工程を検証しています。提案書の基本の工程と、作りたい成果物の説明をAIに渡すと、動画広告制作のAI協働の工程の骨格が数分で出てきました。工程として使えるかは、実際の制作で確かめています。

4経営にとっての価値(仮説)

ご紹介している進め方が組織に根づくと、経営にとっては次の3つの価値が手に入ると考えています。まだ実証の前なので、3つとも仮説です。

4-1 頭の中の判断基準を書き出すことで、AIが活躍する場が増える

どの会社にも、上司やベテランの頭の中にしかない判断の基準があります。「これなら採用する」「これは差し戻す」を決めている基準です。書かれていないので、AIにも、新しく入社した人にも渡せません。評価基準として書き出せば、AIはその基準で自分の出力を確かめながら作業を進められます。差し戻した理由を書き足していけば、基準は会社に残り、担当者が替わっても引き継げます。

5つのステップの図。前半「成果物の仕様と評価基準の用意」:Step1 AIと一緒に仕様と評価基準を用意、Step2 受け手のペルソナ(AI)が、読むのをやめる箇所や反論を確認(Step1とStep2を繰り返す)、Step3 人が仕様と評価基準を確定(上司による確認)。直した評価基準は、次の案件のStep1で使える。後半「成果物の作成」:Step4 仕様と評価基準をもとに、AIが成果物を作成、Step5 AIが2つの立場で確かめる(評価基準で合否を判定/受け手のペルソナとして読む)(Step4とStep5を繰り返す)。最後に人が採否を決める。成果物とは、企画書、提案書、プレスリリース記事、システムの仕様書などであり、いずれも当社と実践者で取り組み知見を蓄積している。
図3 成果物の仕様と評価基準を用意してから作る

4-2 締め切り直前のドタバタを、書き始める前に片づける

提出の前日に方向がひっくり返り、人を足して直す。こうした混乱は、担当者の力不足だけで起きているのではありません。判断する人の時間が限られ、途中で確かめる手段が、人の時間を借りることしか無かったから起きていました。評価基準を先に合意し、途中の確認をAIが受け持てば、方向のずれは書き始める前に見つかり、直す量も小さくなります。ただし、何を良しとするかを最初に決める仕事は、人に残ります。

4-3 承認の段数を、評価基準で1人の決裁に近づける

課長・部長・役員と承認が重なるのは、それぞれが別の観点で確かめているからです。その観点を評価基準に先に書き込んでおけば、途中の層が確かめることは「基準を通ったか」になります。基準を通った案は、最後の1人が決めれば足ります。決めるまでの日数が縮めば、顧客への提案や事業の判断を、他社より先に出せます。基準に無い問題に気づいた承認者は、理由を残して差し戻せます。

5御社と確かめたいこと(共同実証の案)

御社で差し戻しの多い文書を1種(提案書・稟議など)選び、3か月、このやり方で起案と承認を回します。確かめたいのは、次の2つです。

  • 決裁の途中での差し戻しが減るか(承認したあとに見つかる不備は増やさずに)
  • 起案する人が、何を満たせば通るのかを、書く前に分かっているか

これは当社からご提案するテーマです。確かめる内容と対象の文書は、御社と話し合って変えられます。たとえば、4-3 の「承認の段数を減らせるか」を確かめることもできます。特定のAIサービスは前提にしません。

期間3か月を想定
費用300万円から
御社の工数担当者と承認者の時間。量やタイミングは最初の面談で決めます
成果物(案)対象業務の人とAIの協働の工程、評価基準、受け手のペルソナ、効果を測った結果

御社の業務に合わせた工程と役割分担を、一緒に作ります。代表の佐藤 純也が主担当として最初の面談から報告まで担い、取締役の白木 壯一が定例の打ち合わせに同席します。途中で担当が替わることはありません。代表が直接担当するため、2026年12月から2027年2月までに始められる共同実証は1社です。ご相談いただいた企業の中から、対象の業務が合う1社と進めます。

6お問い合わせ(30分のオンライン面談)

次のどちらかに当てはまる方とは、30分のオンライン面談でぜひお話ししたいです。

  • 興味があり、具体的な進め方を確かめたい
  • 興味はあるが、まず不明な点をはっきりさせたい

ご希望の日時を添えて、info@rashikucorp.com までメールでご連絡ください。

7株式会社らしく について

企業のDXとAI活用の支援を、10年以上続けています。この1年は、AIの活用を個人の効率化で終わらせず、組織に定着させる支援に取り組んでいます。このチラシの考え方は、次の論考で詳しく書いています。

論考の一覧は 私たちの知見 からご覧いただけます。

佐藤 純也(代表取締役) リクルートの情報システム部門でシステム企画・開発に携わったのち、J.D.エドワーズ、ダブルクリック(現・グーグル)、セールスフォースなどで、顧客企業のIT導入と組織変革を手がける。2011年に当社を設立。大手企業を中心に研修登壇は30回以上。

白木 壯一(取締役) 伊藤忠エネクスで現場営業・FC本部を経験したのち、システムの企画・設計へ。ノーコードの業務アプリ作成とデータの視覚化が得意分野。お客様の支援にAIを徹底的に活用している。

会社名株式会社らしく
創業2011年4月
所在地〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-19-19 恵比寿ビジネスタワー10F
事業内容AIとクラウドサービスを活用したDX推進の支援、企業向けAI活用の計画立案と講習などの伴走支援
Webrashikucorp.com